はじめに
マウスピース矯正をしていると、ちょっとしたトラブルに遭遇することがあります。アタッチメントが取れた、マウスピースが浮く感じがする、なくしてしまった、など、いざそうなると焦ってしまいますよね。
この記事では矯正歯科で働くイカ天が、マウスピース矯正中によくあるトラブルと、その対処法を現場目線で解説します。あわせて、そもそもトラブルを防ぐためのコツもお伝えします。
アタッチメント・ボタンが取れた
よくあるトラブル①:アタッチメント・ボタンが取れた
実際に現場でよくあるのが、アタッチメントやボタンが取れてしまうトラブルです。特にマウスピースを外すときに、一緒に取れてしまうことがあります。
対処法:すぐにクリニックへ連絡
取れてしまったら、なるべく早めにクリニックへ連絡して、付け直してもらいましょう。早く対処できればできるほど、治療への影響を最小限に抑えられます。
放置するとどうなる?
取れたまま放置すると、歯が計画通りに動かなくなってしまいます。特にゴムかけ用のボタンが取れた場合は、ゴムかけができなくなるため治療に影響が出ます。また、マウスピースがうまくフィットしなくなる(アンフィットの)原因にもなります。
取れたことに気づいたら、放置せず早めに連絡するようにしてください。
フィッティングが悪い(浮く)
よくあるトラブル②:マウスピースが浮く(フィッティングが悪い)
マウスピースが歯にしっかりはまらず、少し浮いているように感じることがあります。これを「フィッティングが悪い」「アンフィット」といいます。
ただ、実際には自分ではあまり気づけない程度のものが多いです。私自身も、フィッティングが悪いという自覚はまったくなかったのですが、クリニックで見てもらうと少し浮いている部分がありました。自分で完璧に判断するのは難しいので、定期的な通院でチェックしてもらうことが大切です。
主な原因:装着時間の不足
一番多い原因は、装着時間が足りていないことです。マウスピースは1日20〜22時間以上の装着が必要で、これが守れていないと歯が計画通りに動かず、次のマウスピースがうまくはまらなくなります。
対処法:チューイーをしっかり使う
チューイーという、マウスピースを歯に密着させるためのロール状の道具があります。これをしっかり噛んで、マウスピースを歯に馴染ませることで、浮きが改善することがあります。
それでも改善しない場合は、クリニックの判断で一部のアタッチメントを除去するなどの対応をとることもあります。まずは装着時間を見直し、チューイーを丁寧に使ってみてください。
なくした・割れた(実は少ない)
実は少ないトラブル:なくした・割れた
マウスピース矯正と聞くと「なくしそう」「割れそう」というイメージを持つ方も多いかもしれません。ですが、現場で働いている実感としては、なくしたり割れたりするトラブルは実はほとんどありません。丈夫にできていますし、毎日使うものなので習慣として身についていくためです。
とはいえ、万が一に備えて対処法を知っておくと安心です。
もしなくしたり割れたりしたら
まずはすぐにクリニックへ連絡してください。おそらく、ひとつ前のマウスピースを装着して指示を待つように案内されることが多いです。これは歯が後戻りしてしまうのを防ぐためです。
ここで大切なのが、次に説明する「使い終わったマウスピースを取っておく」という習慣です。
トラブルを防ぐために
最後に、トラブルを防ぐために普段から気をつけたいことをまとめます。
① 使い終わったマウスピースは捨てずに取っておく
これはとても大切です。マウスピースをなくしたり割れたりしたとき、ひとつ前のマウスピースがあれば、それを装着して後戻りを防げます。交換したマウスピースはすぐ捨てず、保管しておきましょう。
② マウスピースは左右均等に外す
アタッチメントやボタンが取れる原因のひとつが、外し方です。片側から一気に外すと負担がかかりやすいので、左右均等に少しずつ外すようにすると、取れにくくなります。
③ 装着時間を守る
フィッティングの悪化を防ぐ基本です。1日20〜22時間以上の装着を心がけましょう。
なお、アタッチメントが取れる原因には、外し方だけでなく装着時の状態など術者側の要因が関わることもあります。取れてしまっても自分を責めすぎず、まずはクリニックに相談してください。
まとめ
マウスピース矯正中のトラブルと対処法をまとめました。
・アタッチメント・ボタンが取れたら、すぐ連絡して付け直す(放置すると計画通り動かない)
・マウスピースが浮くときは、装着時間を見直し、チューイーをしっかり使う
・なくした・割れたは実は少ないが、起きたら1個前のマウスピースを装着して連絡を
・使い終わったマウスピースは捨てずに取っておく
・左右均等に外す、装着時間を守るなどでトラブルは予防できる
トラブルが起きても、多くは早めに対処すれば大きな問題にはなりません。焦らず、まずはクリニックに相談することが大切です。マウスピース矯正中の方の参考になれば嬉しいです。


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